2012/06/25

Sinners And Saints

 富士見ファンタジア文庫『シークレット・ハニー 船橋から愛をこめて』発売中です。WEB拍手のコメント、ありがとうございます! 近いうちに返信いたします。今回の更新は、アクション映画の感想を少し。まずはDVDスルーの掘り出し物『ルール 無法都市』から。
(原題『Sinners And Saints』予告編)


 主人公の刑事が所属する部署が「路上犯罪課」ってかっこいいです。銃撃戦はマイケル・マン系列で、評判通りさすがの迫力。主人公がAKのチャージングハンドルを引き直す手つきがものすごく自然で興奮しました。
 主人公を演じるジョニー・ストロングって、『ブラックホーク・ダウン』のシュガートなんですね。あと、元格闘家のバス・ルッテンが出ててさすがの存在感を出していました。元格闘家が出演していたら、やっぱり格闘シーンに期待してしまいますよね。そこにもばっちり応えてくれるあたりが実に素晴らしいスタッフです。

 主人公の銃はスプリングフィールドのカスタム・ガバメント。マガジンは予備まですべて大容量拡張タイプという市街戦仕様。「セミオート拳銃にロングマガジン」って僕の凄く好きなスタイルなんですよ。他に、このスタイルが印象的に使われた映画といえば、オリヴィエ・ダアン監督『クリムゾン・リバー2』があります。
 ……ちょっと話はそれます。『クリムゾン・リバー2』は色々と物語の辻褄が合っていない映画なんですが、クライマックスの銃撃戦は文句なしに大迫力です。ブノワ・マジメル演じる刑事は、H&Kの拳銃を所持。予備はロングマガジン。「普段は携帯性を重視して通常のマガジン」だけど、弾倉交換が必要になるということは「かなり激しい銃撃戦に遭遇してしまった」わけなので、予備は「ロングマガジンで火力を維持する」という……。そのディテールだけで僕は大喜びしてしまうのです。

 そしてこっちは最近劇場で観た一本。
『ネイビーシールズ』
(公式)
http://navyseals.gaga.ne.jp/official/
 ジェロニモE‐KIA作戦のおかげで日本でも知名度抜群のSEALS。登場するのはすべて本物の兵士、本物の兵器! 「これはもう、きっと超満員立ち見に違いない!」と思って、ものすごくはりきって余裕をもって劇場に向かいました。
 この手の映画につきまとうプロパガンダ色云々の問題はさておき、僕がいいなあと思ったのは単純な映像の美しさです。兵士や兵器は、上手く撮ると叙情的・幻想的に見える瞬間があります。「あっ!」と思ったのはオハイオ級原潜の浮上シーン。特殊部隊の男たちのために、突如海面に道が出現したかのような光景。
 ちょっと前まで劇場で、ジェイソン・ステイサムとロバート・デ・ニーロが共演した『キラー・エリート』って映画をやってたんですが、そのなかで「尾行・監視していたが、カメラ・レンズの反射で敵に気づかれる」というシーンがありました。この『ネイビーシールズ』ではそういうことは起きません。スナイパーは必ずスコープにカバーをかけています。

 それにしても、この『ネイビーシールズ』。あまりにも最新のFPS(一人称視点シューティングゲーム)の影響大で驚きました。FPSっぽい演出は最近アメリカ映画で急激に増えていますが、ここまでやるか! というレベル。具体的にいえば『コール・オブ・デューティ』シリーズです。ダメージのせいで視界が暗くなる感覚まで「ゲームを再現」しようとしています。昔の映画だと「ゲームの再現」は即パロディやギャグになっていたので、隔世の感を禁じえません。

 あと、『ルール 無法都市』と『ネイビーシールズ』を並べてみて考えたのは、アクション映画におけるリアリティ表現の難しさです。『ネイビーシールズ』では、「アクション映画的には見栄えがいいけど、あまり実戦的ではない動き」が極力排除されています(ゼロではないですが)。それに対して、『ルール 無法都市』は、最低限のリアリティは意識しつつ、派手な爆発やナイフ戦などで娯楽性を盛り上げようとしています。「どちらがいいか」は、観る人の個人的な感覚の問題になるのでしょう。
 制作スタッフは、作品のテーマに合わせてリアリティの軸を定め、アクションを設計しなければなりません。それははっきりとマニュアルがあるような分野ではないので、まるで綱渡りのような作業です。そんな「素晴らしい映像感覚の綱渡り」を期待して、明日もDVDをレンタルしたり劇場に足を運んだりしようと思います。



 せっかく銃の話をたくさんしたので、もう一個。
 鉄砲が山ほど出てくる小説を書きました。
 ファミ通文庫『僕の学校の暗殺部』。
 拷問部とか危機管理部とか、そして今度は暗殺部! これを最後にしばらく「変な部活」はやめとこうと思います……というわけで、来月発売予定、よろしくお願いします。作成中の表紙やキャラデザを見せてもらっているのですが、かなりいい感じですよ!


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