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2011/12/28

2011年のまとめっぽく。

 今年も読者のみなさまにはお世話になりました。
 来年もよろしくお願いします。
 今年の後半は、とにかく「準備」ばかりしていました。来年は、小説以外の仕事でもちょくちょくお目にかかることがあるかもしれません。今回の更新はとりあえず、2011年に観た映画、読んだ本の中で、特に印象が強かったものをまとめておきます。本当は「ベスト10」とかにするとキリがいい感じもするのですが、絞りに絞っても収まらなかったので、なんとなく雑然としてしまいました。作品に順位をつけるのはあまり好きではないので、並びは適当です。

(2011年特に印象的だった映画)
『ソーシャル・ネットワーク』
 音楽と脚本が抜群でした。
『イップ・マン葉問』
『孫文の義士団』
『レジェンド・オブ・ザ・フィスト 怒りの鉄拳』
『導火線フラッシュポイント』

 2011年はドニー・イェン祭りでした! イップマンはオリジナル版と公開順序が変わっているのでややこしいです。個人的には、日本軍と戦うやつよりも香港編のほうが好きです。日本軍の描写が雑で、凄く損をしている映画です(日本軍描写が下手なのはレジェンド・オブ・ザ・フィストもそう)。香港編にはサモハン出てるし。
 導火線、はずいぶん前に香港でブルーレイを購入していたので、DVDスルー、そして劇場での限定公開が決まって「ようやくか……!」と喜びました。ドニーが演じるアクションの、一つの到達点が導火線です。ここ最近のアジア映画で最も優れた格闘戦だったと思います。
『ザ・タウン』
 傑作ヒートの影響が強い、ベン・アフレックの銀行強盗映画。
 銃声と弾着の効果が超かっこよかったです。ジェレミ・レナーの「強すぎるチンピラ」演技が印象的。
『冷たい熱帯魚』
 演技って凄いなあとしみじみ思った一本。「役者の迫力」って大事ですよね。
『悪魔を見た』
 ぶっ飛びの残酷描写。でも、ラストには奇妙なカタルシスがあります。
『スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団』
 笑えた! そしてかっこよかった! 演奏シーンが超盛り上がる! という意味ではアメリカ版のけいおん! かもしれません(違います)。
『ジャッカス3D』
 飛び出せ、バカ! というキャッチコピー通りのすがすがしい一本。
 あまりにもいい台詞があったので、たまらずここに書いておきます。ローラースケートでバッファローの群れに突っ込み、吹き飛ばされたジョニー・ノックスヴィルが一言。「……バッファローにはね飛ばされた気分だ」
 2011年、劇場で一番笑った映画です。 
『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』
 さっきジャッカスが2011年一番笑った映画、と書きましたが間違いでした。
 一番はこっちです。ハングオーバー2。悪趣味なネタが増えて賛否両論分かれてますが僕は「2」のほうが好きです。伏線の回収のしかたが「1」より綺麗だから。
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』
 超残酷! 非道徳的! この映画を楽しめる人の数はそんなに多いとは思えませんが……。それでも、見たことも聞いたこともないやりかたで悪党を始末するのが楽しかったです。
『酔拳 レジェンド・オブ・カンフー』
 とにかく武術指導のレベルが高い! カンフー映画の気持ちよさを純粋に堪能できます。
『ドライブ・アングリー3D』
 ニコラス・ケイジ好きにはたまらない! 暴力! カーチェイス! お色気! というあまりにもわかりやすい内容を、無駄なく、速いテンポでやりきった傑作。超傑作。ウィリアム・フィクナー(『プリズンブレイク』のFBI捜査官)の怪演だけでも見る価値があります。
『カンフー・パンダ2』
 細かいネタから実写では不可能なダイナミックなアクションまで。主人公の出生の秘密を巡るドラマも盛り上がるし、2011年のCGアニメでは間違いなくベストの一本でした。
『ピラニア3D』
 水着! ポルノ撮影! 古代の凶暴ピラニアが復活! 大虐殺!
『アジョシ』
 クライマックスのナイフ戦はアクション映画史に残ると思います。
『けいおん! 劇場版』
 説明不要ですね。大好きだから仕方がない、という。
『リアル・スティール』
 この前の更新で色々と書いたばかりです。
『ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル』
 シリーズで一番好きな作品になりました。やっぱり日本人にはトムの独走状態よりもチームプレイのほうが肌に合う気がします。
『マネーボール』
 電話するだけのシーンでもかっこいい! 会議中にイライラしているだけでもかっこいい! ブラッド・ピットの「仕事はできるけど人生を楽しめない男」演技が素晴らしいです。

(2011年特に印象的だった本)
 2011年より前に発売された本も混ざってますが、「僕が今年読んだ本の中から」ということで。
スティーヴ・ファイナル『戦場の掟』
 米軍のイラク駐留に関する本は山ほどありますが、これは著者の兵士たちに対する「距離感」が絶妙です。
ブライアン・アザレロ、リー・ベルメホ バットマン『ジョーカー』
「それは野火のように、いや、疫病のように広まっていった」……翻訳し出版してくださったスタッフに感謝。悪と狂気が疾走する大興奮の一冊。ラスト一文までの流れが壮絶すぎて大感動。
ロバート・カークマン『ウォーキング・デッド』
 テレビドラマ版も好評のゾンビもの。登場人物たちの感情の「運び方」が凄く上手い!
フランス・ドゥ・ヴァール『共感の時代へ』
 最近僕が興味を持っている「人間らしさ」についての本。
 ちょっとだけ引用。「国土の大半が六メートル余り海面より低いオランダでは、堤防は神聖なものなので、政治家たちはそれについて一切口出しできない。治水は技術者と、建国にすら先だって設立されていた地元の委員会の手に委ねられている」
マット・リン『暗黒の特殊作戦』
 傭兵軍事冒険小説のシリーズ二作目。
「人の命がかかっているときは、誰だって八のワン・ペアよりもマシな手を望むものだ」
杉作J太郎『杉作J太郎が考えたこと』
 帯に書いてある「迷える男子のボンクラ魂に火をつけ続けてきた男」というアオリ文そのままの内容でした。僕はこういう「情念をこじらせちゃった人」に弱いです。
平山夢明『どうかと思うが、面白い』
 オモシロ下品系エッセイ集なのに、たまに強烈な激痛描写が入って油断できませんでした。
高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』『ミャンマーの柳生一族』
 深い考えがあるでもなく、勢いでサハラ砂漠マラソンに挑戦する筆者の心理状態は凄いというよりヤバい。しかもそれが人生初マラソン。かなりの著作があるので、これからどんどん読んでいきたいと思います。
内田樹『うほほいシネクラブ』『呪いの時代』
 内田先生の本には本当に「はずれ」がないです。シネクラブ。リュック・ベッソン映画について、あまりにも的確なコメントがあり、それだけでもこの本を買った価値がありました。「『幼児のように無垢な中年男』がわけのわからないことをするせいで、周りの秩序がだんだん混乱してきて、ついには破壊的暴力が解発される」
ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
(ありえないほど面白かった)です。親子と夫婦と喪失と喪の儀式の物語。久しぶりに泣いた泣いた! 内容に直結した「視覚的」な仕掛けの見事さに感動。タイポグラフィとデザインの挑戦。映画版はスティーブン・ダルドリー監督なんですが、本を読んだ印象だとダニー・ボイル、あるいはデヴィッド・フィンチャー監督で観てみたかった。でも、もちろん映画版も楽しみです。原爆が落ちた直後の広島を描写するシーンがあって驚きました。
ダグ・スタント『ホース・ソルジャー 米特殊騎馬隊、アフガンの死闘』
 実録戦記もの。
 本のあらすじから引用。
「2001年9月11日直後、密かにアメリカ陸軍特殊部隊チームが招集された。任務はアフガニスタンに潜入し、地元勢力の北部同盟軍と合流して、ターリバーンを掃討すること。最新鋭の装備を誇る米軍だが、険しい山岳地帯の現地では、慣れない馬を駆って戦わなければならない」
 翻訳は、軍事に詳しい安心の伏見威蕃先生。
「国防総省ではだれも、現代の米兵が馬に乗って戦争に行くなどとは思っていなかった」
 僕はいわゆる軍事もの、特殊部隊ものが好きです。ただ単純にドンパチが好きというわけではなく、彼らのような現場のプロフェッショナル特有の「リアリティー(現実感、真実性)」が好きです。「何もかも足りないが現場の知恵と努力で何とかする」過程が最高に楽しい一冊でした。

 次回はWEB拍手コメントレスの予定です。では、よいお年を!
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