深見真のものかき日記

総合文筆業、深見真の日記です。

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◎  良識を疑う! 映画の拷問シーン個人的ベスト10選。 

 角川の新雑誌『nanoエース』。
 恐らくすでに都内の書店では発売中でしょうか。
 この雑誌には、原作深見、漫画アルフライラさんによる新連載、
『ちょっとかわいいアイアンメイデン』が掲載されております。
 女子校の拷問部が舞台のほのぼの日常系コメディです。
 拷問初心者の主人公が、先輩たちに鍛えられて成長していきます。

 僕はフィクションの中に登場する拷問が昔から好きでした。なぜ好きなのか? 拷問のどこに魅力を感じるのかというのは一応ちゃんとした説明もできるんですが、それは『ちょっとかわいいアイアンメイデン』のテーマに関わってくるので今ここに書いちゃうのはやめておきます。
 それはそれとして……
 ちょうどいい機会なので、
「映画の拷問シーン個人的ベスト10選」
 というのをやろうかな、と。延々と拷問の話が続くので、苦手な人は閲覧注意で。

・『007 カジノ・ロワイヤル』
 マーティン・キャンベル監督、ダニエル・クレイグ主演。
 まずは有名どころから。
 主人公007が、マッツ・ミケルセン演じるル・シッフルに捕らえられて拷問を受けます。過去の007シリーズの拷問シーンはいつも「緩い」感じだったんですが、『カジノ・ロワイヤル』の場合はかなりハードでお気に入りです。男性の局部を、荒縄の結び目で殴る! というシンプルさ、そして拷問される007のふてぶてしい態度が高得点ですね。拷問シーンは、拷問される側の「タフさ」を示す重要なシーンでもあるので。

・『ディア・ハンター』
 マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ主演。
 僕は南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)を一方的に悪く描いたようなベトナム戦争映画があんまり好きじゃないんですが、『ディア・ハンター』の拷問シーンは緊張感が凄まじいので何度も繰り返し観てしまいます。「捕虜同士にロシアン・ルーレットをさせる」というこの悪魔的なアイデアは、以降様々な映画や漫画に影響を与えることに。最近だと『コール・オブ・デューティ ブラックオプス』でまんまやってました。デ・ニーロの鬼気迫った表情が素敵!


・『リーサル・ウェポン』
 リチャード・ドナー監督、メル・ギブソン主演。
 ご存じ刑事アクション映画の傑作。
 映画やドラマではよく「スタンガンで気絶」というシーンがありますが、かなり難しいらしいんですよね。市販のスタンガンは「相手を気絶させる」のではなく、「激痛で相手をひるませる」のが目的で。つまり、何が言いたいのかというと……「電気は痛い」「とてつもなく痛い」わけです。それを見事に表現したのが『リーサル・ウェポン』の拷問シーン。電気ショックを使ってます。その前に、メルギブの体をちゃんと濡らしておく芸の細かさがニクイです。拷問はディテールも大事だと思うんですよ。ダニー・グローバーの傷口に塩を塗る描写も痛そう!

・『パッション』
 メル・ギブソン監督、ジム・カヴィーゼル主演。
 メルギブ二連発!
「キリストの受難」を描いた映画なんですが、とにかく拷問シーンが長くてエグい! 『ジーザス・クライスト・スーパースター』なら四分くらいで終わったシーンが、五倍くらいに膨らんでいる印象です。鞭の描写が特に凄い。宗教がテーマなので、あんまり迂闊なことは言えないのですが、この映画を観たあと「なんだかスーパーヒーローの誕生編みたいな映画だなあ」と思いました。そのまんまですね。

・『ペイバック』
 ブライアン・ヘルゲランド監督、メル・ギブソン主演。
 きた! メルギブ三連発!
 メルギブはたぶん、本当にこういうのが大好きだと思うんですよ。「いたぶられる演技」というか。マフィアにつかまって、ハンマーで足の指を一本ずつ潰される時の、痛そうな表情の上手いこと! 拷問がストーリー上「不可欠」なものとして組み込まれている脚本も素晴らしいです。

・『地球を守れ!』
 チャン・ジュアヌン監督、シン・ハギュン主演。
 変な映画なんですよ、これ。
 DVDのストーリー紹介から引用。
「『地球上の災難はすべて異星人のしわざ』と考える内気な青年ビョングと恋人スニ。ある夜、二人は宇宙人と狙いをつけた大手製薬会社の社長カンを誘拐し監禁する。ビョングはカンに対し自ら開発した尋問兵器を使って地球破壊計画の秘密を暴こうとするが、何も知らないカンはこの狂った青年から逃れようと、密かに脱走を試みる」
 韓国映画の暴力描写は、日本や欧米とも違う独自路線です。特に拷問シーンではその独自性が顕著。主人公は、監禁した社長の「正体」を暴くために次々と拷問にかけます。「宇宙人の特殊能力を封じ込めるために、足の甲の皮をはがして液体湿布を塗る」とか。とてもここには書けないようなもっとエグいシーンも。映画版『ミザリー』をさらにクレイジーにした内容。そして最後には驚愕のラストシーンが……! しかしよくこんな後味の悪い映画を作るなあ……。

・『マラソン・マン』
 ジョン・シュレシンジャー監督、ダスティン・ホフマン主演。
 大学院生で長距離走者の平凡な青年が、ナチ戦犯がらみの陰謀に巻き込まれるサスペンス。
 ちょい古めの映画ですが、殿堂入りの強烈なシーンがあります。
 いわゆる「歯医者系」です。
 もう音を聞いただけで気が滅入るような凄絶な拷問! こう「ガッ!」と口を開かせてからですね、歯の神経の一番痛いところに鋭い……。悪役の冷酷さを示すのに、こんなに効果的なシーンはなかなかないでしょう。ローレンス・オリヴィエの文字通り「顔色一つ変えない」拷問人っぷりに背筋が寒くなります。こんな拷問されたら僕なら二秒で知ってること全部白状しますね。


・『レザボア・ドッグス』
 クエンティン・タランティーノ監督、ハーヴェイ・カイテル主演。
 つかまえた警官を拷問するのはマイケル・マドセン。
 楽しそうに踊りながら耳を切る……物凄く陰惨なシーンなのに、巧みな演出で上品にみせてしまうタランティーノの手腕ときたらもう! 同じことをやっても、演出次第ではもっと悪趣味で見ていられないシーンになっていたはずなので興味深いです。マイケル・マドセンが演じたのは人をいたぶることに快楽を見出す狂犬系のキャラクターで、拷問にもあまりストイックさはありませんが、「こんなヤツにつかまったらヤダなあ!」感は今回紹介した映画の中でもトップクラス。やっぱり人間「何をするかわからない」「理解できない」相手が一番怖いんだな、という。

・『ホステル』
 イーライ・ロス監督、ジェイ・ヘルナンデス主演。
『ホステル』では相手をほとんどそのまま殺しちゃうので、拷問とはちょっと違うかなーと思ったんですが、やはり作品のインパクトを考えると外すわけにはいきませんでした。みなさんもたぶん、メスで解剖されるのってヤですよね。東欧で、金持ち相手に極秘で経営している殺人クラブ。初めて予告編を見た時は「このプロットでまともな映画になるのか?」と疑問でした。悪趣味はタバスコと同じで、量を間違えると誰にも食べられない料理になってしまう。ところが、イーライ・ロスは上手かった! 拷問の絶望感を徐々にサスペンスの緊迫感に変換していき、最後にはちゃんとカタルシスまで用意するという離れ業。ちなみに、個人的には「2」のほうが好きです。「2」は聡明で度胸満点のヒロインが超かっこいいので。

・『96時間』
 ピエール・モレル監督、リーアム・ニーソン主演。
 僕は、目的のためなら手段を選ばない主人公って結構好きです。その「目的」が、家族を助けるためならなおさら。『96時間』の主人公は、この映画の中では「拷問をする側」。悪党に対しての容赦のなさが光ります。「電気系」の拷問をやるんですが、そのときの台詞がいい感じです。「国内では違法になるので、CIAは海外の機関に拷問を委託していた」という……。この台詞は、実際に問題になったいくつかの事件が元になっています。拷問用の電極を相手の太腿に直接突き刺す! なんて、ひと手間かけて激痛度をアップさせているのが印象的。

番外『24 TWENTY FOUR』
 キーファー・サザーランド主演。
 映画ではないので一応「番外」ということで。
 説明不要の人気ドラマシリーズ。この作品の登場以降、アメリカ製ドラマのテンポや作風が大きく変化したといっても過言ではないでしょう。特に過激な拷問シーンは問題になりました。主人公ジャック・バウアーの暴力的な捜査に賛否がわかれるのは当然ですが、拷問がなければどうしても物語的な「説得力」が生まれないシーンも多々あり難しいところです。とりあえず「『正義の味方』もきれいごとだけではやっていけない」という当たり前の事実を前面に押し出した功績は大きいと思います。シリーズを全部観直してから書いているわけではないのでうろ覚えなんですが、ビニール袋や濡れたタオルを使った、相手の「呼吸阻害系」拷問が多かったような気がします。


 いかがだったでしょうか。
 他にもたくさんあるんですが、キリがないのでここまで!
 次回更新はWEB拍手レスです。
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